Euclidea 1.6 円の中心の作図 解説
作図クイズアプリ、Euclidea。
シンプルな作りながら、最小手数での作図が案外難しくて癖になりますね。
この記事では1.6 Circle Center(円の中心)の2L5Eについて作図の解説と数学的考察をしています。
自力で解きたい方は回れ右。
以下、与えられた円の中心を求める作図の方法です。
・2L
まず円の中心に関する重要な性質を確認しておきましょう。
それは、円の中心は任意の弦の垂直二等分線上にあるということです。
これを用いればかんたんに円の中心は求めることができます。
つまり、円周上の2点を適当に選んで垂直二等分線を引く作業を2回行えば、その交点が円の中心になります。
これだけ。どんな2点を選んできてもOKです。
・5E
さて少し悩んでしまうかもしれないのが、この5手での作図です。
先に注意しておきますが、2Lの条件は同時に満たさなくて構いません。
具体的に言えば、この作図には5本の線が必要になります。
さて、手順は次の通り。まず円周上の適当な点を中心として、円を書きます。
この円の半径は特に決まりはないですが、大きく書きすぎて円周上に交点がなくなるような円ではいけません。この円を仮に、円1と呼びます。
次に、今書いた円ともともとの円の交点を中心とし、先程書いた円の中心を通るような円を書きます。(下図を参考に)(この円を円2とします)
さらに、もう一つ、円2を描いたのと同様に、円2ともともとあった円の交点を中心とし、円2の中心を通るような円を書きます。これを円3と呼びましょう。
さて、これで与えられた円周上に3つの円、円1~3が描けました。
次に、円1と円2の2つの交点を直線で結びます。さらに、円2と円3の2つの交点を直線で結びます。すると、その2直線の交点が円の中心になっているので、点を打てば作図完了です!
【おまけの解説】
どうしてこれで円の中心が作図できるのか、解説します。
垂直二等分線の作図方法を思い出してみましょう。
垂直二等分線は、直線の両端から同じ半径の円を描き、その2円の交点を直線で結ぶというものでした。
ここで上の5Eの作図を改めて見直してみると、最後に引いた2本の直線は、見事に垂直二等分線になっていることがわかります。
つまり冒頭の2Lの作図では、2本の垂直二等分線を別々に作図したため6手かかっていたのですが、実は2本の垂直二等分線の作図では、「円2を描く」という作業を共有できたんですね。それで1手節約できたのです。
数学といえば赤チャート。私が数学を勉強するのに愛用した参考書です。