みのまわりのものたち。

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Euclidea 2.2 Intersection of Angle Bisectors 解説

 

作図クイズアプリ、Euclidea。

シンプルな作りながら、最小手数での作図が案外難しくて癖になりますね。

今回はBetaの2.2 Intersection of Angle Bisectorsの2L6Eについて、作図の解説と数学的考察をしていきます。

自力で解きたい方は回れ右。

・はじめに

この問題は後から追加された問題なので、アプリ版・web版ともに英語のタイトルになっています。

Intersection of Angle Bisectorsの意味としては、「角の二等分線の交点」となります。問題の意図を素直に日本語に訳すなら「三角形の内心」とでもなりそうですが、英題のほうが素直ですね。

・2L

この問題は、上にも書いたとおり、与えられた三角形の内心を作図する問題です。

内心といえば性質は様々ありますが、やはり英題にもある通り、「内角の二等分線の交点」であることがポイントです。それを踏まえれば、2Lの作図は簡単です。三角形の3つの角のうち、2つを選んで角の二等分線を描くだけ。これは簡単でした。

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・6E

 

悩むのは6Eの作図の方だと思います。普通に角の二等分線を作図すると、1回に4手かかりますから合計8手かかってしまうわけです。ここでポイントになるのは、角の二等分線の作図で円を多用すること。2回角の二等分線を作図するわけですが、使用する円を被らせることができれば何手か稼げないだろうか?というわけです。

 

そこで、まず1手目から工夫します。1手目は、ある頂点を中心に他の頂点を通るような円を描きます。(下図)

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次に、後ほどもう一つ二等分線を作図しなければいけないことを考慮して、今円周上にあった頂点を中心とし、上では中心にした頂点を通るような円も描いてみます。(下図)

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さて、この円が実は2つの役割を果たすことになります。一つは、上にも描いたとおり、この後左下の角を二等分するときに使う円です。もう一つは、今作図しようとしている上の頂点の角の二等分線を作図するための手になっているということです。

次にどうするか?上の図で点Dとした点(これは1手目で描いた円と辺ACの交点ですね)を中心とし、上の頂点を通るような円を引いてみましょう。すると2手目に引いた円と今描いた円の交点が三角形の下の方にできました。この交点と、上の頂点を結ぶと、上の頂点の角の二等分線になります。

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さて、ここまでで4手です。後2手で左下の頂点の二等分線を作図しましょう。一見難しそうに見えますが、可能です。実はここまでの作図で、左下の頂点の角を二等分するのに必要な4手のうち、2手をこなしているからなんですね。

改めて4手目までの図を、点の記号入りで示しました。

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頂点Aを2等分する時の手順を思い出すと、

1.頂点Aを中心とし、頂点Bを通る円を描く

2.頂点Bを中心とし、頂点Aを通る円2を描く

3.交点Dを中心とし、頂点Aを通る円3を描く

4.円2と円3の交点と、頂点Aを結ぶ

でした。上のを参考に、頂点Bを2等分する手順を考えてみると、

5.頂点Bを中心とし、頂点Aを通る円を描く

6.頂点Aを中心とし、頂点Bを通る円5を描く

7.交点Eを中心とし、頂点Bを通る円6を描く

8.円5と円6の交点と、頂点Bを結ぶ

になりそうです。

よく見てください。手順の5と6、既に手順2と1で描いてますよね!

だから後2手で充分なんです。従って、完成すると以下の図のようになります。

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Euclidea: Geometric Construction Puzzles

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