Euclidea 3.8 ひし形 解説
作図クイズアプリ、Euclidea。
シンプルな作りながら、最小手数での作図が案外難しくて癖になりますね。
今回はGammaの3.8 ひし形(Lozenge)の5L7E4Vについて、作図の解説と数学的考察をしていきます。
自力で解きたい方は回れ右。
・5L
この問題は、与えられた直線を1辺とし、内角の一つが45°であるようなひし形を作図する問題です。この問題も結構難問で、作図するだけならなんとかなる(45°は90°の半分なので、垂線を作図して角の二等分線を作図するとか泥臭くいく)のですが、問題で与えられている5Lや7Eの実現には骨が折れます。
まず5Lからいきましょう。
ひし形の重要な性質として、4辺の長さがすべて等しいというものがあります。ですので、まずは与えられた線分を半径とするような円を作図します。
次に、45°を作図するため、垂線を引いて角の二等分線を作図します。この時、角の二等分線と最初に描いた円の交点が、ひし形の3つ目の頂点になりますね。
さて、ここから4つ目の頂点を残り2線で求める必要があります。もっと言えば、まだひし形の2辺しか引いていませんから、残る2手は両方ともひし形の辺になる必要があります。簡単に描けるのは、もともとの辺の対辺ですね。ひし形の対辺は平行で、既に垂線も描いているので、垂線に対する垂線を描くだけです。
さて、残る1辺をどう描くか。悩ましかったですが、よく見れば気づけますね。既にあります。
円と垂線の交点と、最初に与えられていた線分の端点を結ぶと、与えられた線分に対して45°の角度で交わる直線が描けることになります。
5Lはこれで終わりです。
・7E
さて、難しいのは7Eの方です。ただ発想としては5Lに近いものがありまして、5Lの作図で用いた、「円と垂線を組み合わせると、45°が作図できる」を使うのです。
さて、1手目は5Lと同じです。ひし形の辺の長さを移すため、円を作図します。
次に与えられた直線の垂線を作図するのですが、ここで工夫が必要です。5Lと同様に、端点を通る垂線を作図するには、下図のように線分を左に延長する必要がありますよね。
これでは、線分を延長するのに1手余分に使ってしまいます。ここでは、与えられた線分の垂直二等分線を作図することで一手省くのがポイントです。
しかもこの場合、1手目に描いた円を垂直二等分線の作図にも流用できるので、上の失敗例の画像に比べれば2手省略できていますね!
続いて、45°を作図するための円を中心に作図します。ここまでくればほぼ答えです。
5Lのときと同様に、与えられた線分に45°の角度で交わる直線が2本描けますね。
この時、1,2手目で描いた円と、今描いた直線が交わりますが、円の半径は最初に与えられた線分の長さそのものです。つまり、今出た交点は、ひし形の残り2頂点にほかなりません!
というわけで、7手目として交点同士を結べばひし形が作図できます。
結構悩ましかったですが、気づいたときは感動しましたね。美しいです。
・4V
さて、この問題はV-starがある問題です。
下図のように、後3つのひし形が描けることになります。