Euclidea 3.9 Centroid of Quadrilateral 解説
作図クイズアプリ、Euclidea。
シンプルな作りながら、最小手数での作図が案外難しくて癖になりますね。
今回はGammaの3.9 Centroid of Quadrilateralの4L10Eについて、作図の解説と数学的考察をしていきます。
自力で解きたい方は回れ右。
・はじめに
この問題は後から追加された問題なので、アプリ版・web版ともに英語のタイトルになっています。
Centroid of Quadrilateralの意味としては、「四角形の重心」となります。三角形の重心なら聞いたことがありますが、四角形の重心とははてさて。
これは問題の画像にある通り、「四角形の2本の対角線の中点同士の中点」が四角形の重心になるということです。
・4L10E
この問題は、4Lと10Eが同時に達成できるパターンの問題です。
問題に取り掛かる前に、まずは素直にやってみましょう。素直に対角線の中点を作図し、さらにその中点同士の中点を作図する……そうすると、6L12Eで作図ができるはずです。正答と比べると2本も線が多くなってしまいます。(参考:下図)
・正しい解法
というわけで正しい解法を示します。ここで思い出したいのは、三角形の重心です。
三角形の重心は、「3本の中線(対辺を2等分するような線分)の交点」でしたよね。四角形でも同じようなことができないでしょうか?
つまり、下図のように2辺の中点を求め、
さらにその中点を求めます。すると作図完了です!
・なぜこれで作図できるのか
さて、ここからはいつもの通り解説編です。なぜ上記の手順で、四角形の対角線の中点同士の中点が作図できたのでしょうか?
その説明に移る前に、まずは上で少しすっ飛ばした「三角形の重心と同じように求める」ことが実際にできることを示します。上で1手目2手目で向かい合う2辺の中点を作図しましたよね。この中点同士を結びます。
次に、残る1組の対辺についても同様に中点を作図して、中点同士を結びます。
すると、この中点はさすがに求めるべき「四角形の重心」になっています。中点同士を結ぶ直線同士の交点が重心になるのって、三角形の重心になんだか似ていますよね。