みのまわりのものたち。

何気なく使っているものの良し悪しについて。

Ingress ミッション作成における力の入れどころ

この記事は 

adventar.org

の3日目の記事です。昨日は、青森の青AGさんのNuuroさんによる【『信じるな。』ingress占い】でした。本記事と内容的な関連は一切ありませんがぜひお読みください(*´ω`*)

 

自己紹介

改めまして、はじめまして。KotoriCantabileと申します。大阪や京都を中心にひっそりと活動しているENLAGです。Google+こちらです。

本記事の概要と目的

 本記事では「ミッション作成における力の入れどころ」と題しまして、私がミッション(特に連作)を作る際に気にかけていることをいくつかご紹介できればと思います。私がミッションを作り始めた当初は、ミッションを作成するツールの使い方を説明する記事はあっても、ミッションを作る際に気をつけることについて解説した記事は殆どありませんでした。例えば、ルート取りは?連作のメダルの準備は?今でも、そういったことに注目した記事は多くはありません。

勿論ミッションの作り方は人によって千差万別ではありますが、本記事ではその一つの例として、私が実際に作成したミッションを取り上げながら、解説を試みます。ミッション作成で悩んでいる方のヒントになりましたら幸いです。

 

ミッションの軸を決める

ミッションを作る際に、真っ先に私が決めていることは、これから作ろうとするミッションの軸です。なんか就活用語みたいですね、毒されてしまったかしら

ミッションの軸を一度決めたら基本的にはぶれてはいけません。ミッションを作成していく過程で、最初に決めた軸から外れてしまいそうになることもあります。その場合は、私は一度そのミッションを最初から作り直すようにしています。得てして最初の発想を曲げてしまうと、ミッション画像が内容と整合しなかったり、動線が崩壊したり、いわゆる「クソミッション」の烙印を押されてしまいがちです。

軸自体はどのようなものでもいいと思います。例えば私のミッションで言えば、

などなど。軸は、ミッションを具体化する中で何か迷うたびに思い返しますので、常に心に留めておくようにしています。

軸を念頭にミッションを具体化する

 軸を決めたらいよいよミッションの詳細を詰めていきます。ミッション作成に必要なものは主に

  • メダル画像
  • ルート取り
  • タイトル
  • 説明
  • (ギミック)*1

の5つです。これらを、最初に決めた軸をもとに決めていきます。とはいえ、この際すべてを決めるわけではありません。決め切れない部分は、設定した軸とは縁遠い部分というわけです。決め過ぎると後から調整が辛いので少しは遊びを残しておくのがおすすめです(?)

「七夕伝説ゆかりの地を巡る」の場合

軸は「交野枚方の七夕伝説にまつわる素敵な地名を巡ってほしい」でした。

そこでまずは、巡ってほしい場所を洗い出します。その結果、「逢合橋」「かささぎ橋」等伝説にちなむ名前の橋があることがわかりました。さらにこれらは「天野川」に架かる橋で、川を挟んで東側に織姫を祀る「機物神社」、西側には牽牛石がある「観音山公園」があります。

ここでルート取りを検討します。織姫と牽牛にあたる機物神社と観音山公園は確定として、残りをどうするか。経路だけ考えれば逢合橋だけを含めればたどりやすそうです。しかしよく考えてみれば、一般的には「天の川にかささぎが連なって橋をかけた」伝承の知名度が高いはず。となると、軸に立ち返ればかささぎ橋は外し難いです。巡る手間は大幅に増えますが、かささぎ橋をルートに含めました。こうして、普通は避けるようなミッションルートができました。

過酷なルートにもかかわらず、これまで6人の方にプレイいただき評価は100%です。

枚方花火の想い出」の場合

軸は「花火のきれいな写真をメダルにしたい」でした。

そこでまずは、メダルに使用する元画像と、メダル化する際の切り取り方を確定することにしました。以下にメダル画像を示します。元画像の画質と、花火の縦幅から、最低24連は必要なことがこの時点でわかりました。(なお本画像は当該ミッションとミッションに付随する紹介文等で使用するために枚方つーしん様から提供いただいたものです。)

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枚方花火の想い出 メダル画像

次にルートを検討しました。枚方ではかつてくらわんか花火大会が夏に開催されており、その会場は枚方市駅付近の「淀川河川公園」でした。ちょうど淀川河川公園にはいくつかポータルが密集している場所があったため、そこを起点、もしくは終点にすることにしました。問題はもう一方の端点です。メダル画像に由来する最低24連(120ポータル)の制約*2をクリアできる程度に淀川河川公園から遠い場所であることが必須ですし、またもう一方の端点も枚方の花火に結びつくものであれば軸との関連がはっきりして嬉しいです。

そうした視点で調べていると、Wikipediaのくらわんか花火大会の記事に、さらに昔には「くずはゴルフ場」が会場であった旨の記述を発見します。実は「くずはゴルフ場」はポータルになっており、さらに淀川河川公園からも4駅ほど離れており、24連の制約もクリアできそうです。また、過去の開催地から最近の開催地へ向かうルートとすると、時系列的にもすっきりします。こうしてミッションルートの概要が決まりました*3。花火を意識し川沿いのポータルをできるだけ使用しましたがポータル数が不足したため、既存ミッションとの兼ね合いやポータル密度を意識し始点近くで一度川から離れています。(ルートの詳細はMissionViewerを確認ください)

また、連作ミッションは18連が上限であるため、24連を作成する場合には12連ずつに分割する必要がありました。*4時代の異なる2つの花火会場が舞台であることを考慮し、前半の12連を「むかし編」、後半を「いま編」と名付け分割しました。

「天野が原を巡ろう! 御殿山-宮之阪編」の場合

軸は「ミッションを通じて枚方への理解を深めてもらえるようなものにしたい」でした。

ルートも軽視できませんが、何より「ミッションを通じて理解を深める」というのが曲者です。単純に順に巡るだけでは達成できそうになく、このミッションではパスフレーズの機能を利用して、各ミッションの最後に選択肢式のクイズを用意することにしました。そうなると、おおよそ5~6ポータルごとにクイズを作れそうなルートを意識する必要が出てきます。そこで歴史的な物件が密集するエリアをルートに選定しました。これで、巡った場所にちなんだクイズを各ミッションに仕込むことが無事にできました。

詳細を詰めて仕上げる

軸から発想を広げても詰めきれない部分はどうしても出てきます。そうした際には、2つ目の軸を設定し、それに従ってさらに詰めることもあります。以下、悩んだときに意識することを書きます。

ルート

  • プレイヤーの交通手段を絞り込む
    →このミッションのプレイヤーは徒歩か?自転車か?自動車はどうか?といったこと。徒歩プレイヤーフレンドリーなルートは自動車にはきついですし逆もしかり。オールマイティーなルートを作るのは難しいので思い切って絞りましょう。これがぶれて、A地点では徒歩AGを意識したルート取りをしたのにB地点では自動車を意識とかすると、どちらのプレイヤーからも不評を買います。*5
  • 時限・課金は避ける
    →いくらG+で注意喚起しても何も読まずにミッションをプレイされる方は一定数います(わたしもそうです)。必要性がなければ避けるのが無難です。
  • 時限・課金は前半で
    →通常時限や課金ポータルは、夜に入れなくなることが多いです。前半に含められるならそのほうがプレイヤーフレンドリーです。
  • ストリートビューで現地を見てみる
    →地図で見ているだけではわからないことがあります。動線の考察にも役立ちます。可能だと思っていた動線が全然無理だということも多々あります。
  • ポータルのDescriptionにルートの説明をつける
    →ポータルの距離が離れる、今後のルートの都合で敢えてハックしないポータルを作らざるを得ないといったこともあります。そうした場合には積極的には説明文にその旨書き添えるようにしています。例えば拙作の「山田池公園を巡る」は途中で山田池公園を出るのですが、出入り口がわかりにくいため説明文を適宜入れています。

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    説明文の一例


メダル画像

  • 12連以上にする
    →6連に使える1枚ものの画像は限られます。例えば拙作の「中の池公園へ行こう」も6連なのですが、以下がメダル画像で、

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中の池公園へ行こう メダル

こちらが元画像です。

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中の池公園へ行こう メダル元画像

かなり上下を切り取っていることがわかると思います。

1枚の写真から作る予定であれば最低でも12連、できれば18連がおすすめです。

その他

  • パスフレーズを用いてポータルを重複させる場合はミッションの最初でパスフレーズを入力させる
    パスフレーズ入力を利用することで、ミッションの終わりのポータルと次のミッションの始まりを同じポータルにすることができます。パスフレーズを設定するポータルは2択ですが、基本的には始まりでパスフレーズにすべきでしょう。終わりパスフレーズは、次のミッションを開始してからハックすべきポータルをうっかりハックしてしまう事故が起こり得ます。


最後に

長くなりましたが、ミッション作成の考え方について述べてきました。改めて自分のミッションの作り方を見直すいい機会になった気がします。ご質問等あればお気軽に。

 

さて、明日(12/4)のアドベントカレンダーnuwaaさんです!ぱちぱち!

記事はこちら。海でのミッションデーとは一体……?!サムネも何やら意味深な地図ですね。気になる!

それでは。皆様良きIngressライフを(´ω`)

注釈

*1:必ずしも必要となるわけではない。ギミックを仕込むことでミッションの難易度は基本的に上がるので、必然性がなければ仕込まないのが無難だと思う

*2:24連ということは、1ミッションに付き最低5ポータル(実際には6ポータル必要ですが、連作の場合はパスフレーズの入力を利用することで連続するミッションで使用するポータルを重複させることができるため、使用ポータルを1つ減らすことができます)が必要ですから、合計120ポータルとなります。

*3:仮に適当なポータルが見つからなかった場合、軸の設定に難があるということで画像を選定し直すつもりでした

*4:18連上限は批判が強いために、結局実装されなかったものだそうです。このミッションは、丁度その話題が出た頃に制作していたため分割して申請していました。

*5:予め切り捨てておけばミッションの紹介をする時点で、想定外であることを伝えられて悲しい事故も防げます